聴こえてくるのは、雨の音。

ある意味、避暑地(自分だけ)

岐路

✰︎現在引越し中真っ只中の為、スマートフォンより更新です。改行だん等、読み辛ければ申し訳ございません🙏

8月、我が家は引越しをする。
転居にて生ずる数々の問題(子供達の転校や新たな保育園探しなどなど)もある物の決断時の意思決定だけは優れている私達夫婦のこと、そうしようと決めたのは5月、トントンと話が運び、来月頭にはもう"お引越し"である。

3月、私がひとりで東京に出向いた際に時間が空き、1年半引きこもっていた長女をなんの気なしに誘ってみた。

どうせ来るわけないだろう。一年半も閉じこもっているのに来るわけないんだよなw

そんな軽い気持ちからだった。なんと即答で行く!行きたい!と一人で新幹線に乗ってやってきた。その行動力には主人も大変驚いたようで、新幹線のホームでどの席につけばよいのか案内をし、ドラマでよくみる名前を呼びながら走り出す新幹線を追いかける、というアレを主人がやったにも関わらず、長女と来たら!窓の外も見ずに耳にイヤホンを差した…とかで、主人は、なんやねんあいつwと思ったそうだ。今では笑い話でその話をよく持ち出すくらい😝

今住んでいるここは、日本一の過疎化の場所らしい。先日とある記事を拝見していてそれを知った。そんな場所で引きこもりをキメ、それなのに東京にシャンシャンと一人で出向いてきた長女。

東京についてからは「もう帰らない、帰りたくない」と言い続け滞在は一週間にのびた。色んな人が溢れているのに誰一人として声をかけてくることなくイキイキと笑っていたりするその姿、都会の雰囲気に、自分も生きていていいんだ、と思ったらしい。

田舎はそれが難しい。逆に言うとそこが優しさでもあるのかもしれないが、昨日と同じ服だとつっこまれ、終いに洗濯もしてない、風呂も入っていない、と支援課や児相に連絡をされる。(彼女は発達の障害があり、衣服過敏症に悩んでいる。これがよい、と体が思えばそれしか着られないのだ)

自分がどうであろうと一切口出しをしない、みんなそれぞれに自分の事に向き合っている雰囲気に彼女は癒されたそうだ。

それを見て私は、教育や医療・娯楽の少ないこの街よりも色々を見て色々を判断できる方が子供たちにとっても良いのではないか、と思い、そのように主人に打診した。有難いことに主人の仕事はどこででも出来る手に職、の職人である。このメリットを活かさずしてどこで活かすのだ💡と。そして私達は引越しを決めた。


今日の事だった。主人は自分が東京行きを決めたのは一番にあなたの事だよ、あなたのタメだ、と言った。私は結婚の条件を「田舎には帰らない」としていた。主人はその約束をずっと気にしつつ生活していたらしい。不便に不便を極め、更に病院にさえ高速を使わなければ通院もできず療育先は整わない、それなのに来年就学の迫る心身障害を抱えた三女がいる、私はいつもその事に頭を悩ませた。その上、長女の登校拒否だ。

私はあまり笑わなくなった。忙しさに余裕もなく、約束もままならず、私は何をやっているのだろう、何か一つでも出来ているのだろうか、その事に常に頭を抱えていた。

「もう私達の時代はとうに終わり、舞台はあの子達だから私の今一番大切な物はあの子達だわ。自分より何よりあの子達。あの子達の未来を考えるとこの環境は何かしら不利だから、思い切ってくれてありがとう」

と伝えた。環境を変えたからと言ってそれが吉と出るか凶と出るかはわからないという意見も持ち合わせていた主人に私はきちんと今の思いを伝えた。

ここでは出来ないことがあちらでは沢山できる。小さな可能性を見逃したくない。常々、思う事は人間は経験からしか次の選択を出来ず選べず、閃きや知識はその枠を超えない、と私は思っている。

うちのスタッフにはうちのワークショップにたまたま訪れて職人見習いになった人間も存在する。試してみて、何になりたい、何をした事があるからその経験を活かしこれをしてみたい、そうした事が大きい。

娯楽も新しい事も何も無い街で、急に大人になって何になりたいか等と尋ねたところで経験も挑戦も機会も、何もなかった子にとって、自分に何が出来るのかなんて選べるわけがないのだ。そんな残酷なことは無い。その機会を与えてやれるのが親であり、挑戦をする、試してみる、それらが出来る場所と出来ない場所では絶対的に格差がある。不利だ。私はそれを懸念していた。

そうすると主人は深く頷き、確かにそうだ、本当にそうだね、と自分の気づかなかった事に頷いた。


自分が職人になりたいと思ったのは小学生の頃にたまたま家具の職人を目にして、その印象が強かったから家具の専門学校に行って、そこから椅子に着目して、椅子に張る革に魅了されたからであって、その目にする機会がなかったとしたら普通の会社員になってたもんな…と。

あなたは拘りを持つ人間で、それが凄い!素晴らしい!と魅了されたんだろうけど多くの人は"だから?" "それで?" "外に学習に行けて机で勉強しなくてよかったので楽しかったです" そうして終わるのよ。機会があるのとないのとでは大きな差があって、勿論その機会があっても逃す人間もいるけど、自分の経験からしか人は考えを打ち出せない、それ以上の事なんて出来やしない、全ては経験から、これよ?

と言うと、そうかぁ~そうだよな~地域の文化の問題も大きいな~と大納得しており、先日の長女の担任がお別れの際に仰った事にも大きく納得が言った、と述べていた。


先日、子供達の最終の面談で最後になるからと夫婦で訪れ挨拶をしたのだが、その際、長女の担任は自分の気持ちをポツっと打ち明けられた。

先生はクラスの皆に隣の市の私立に行きたい子がいれば早めに行ってくださいと親御さんにも子供たちにもお話なさったそうだ。その時に誰もその選択肢を考える人間などはおらず、近くに中学校もあるけぇ、と親と子の志の低さを目の当たりにし、何の機会も刺激もない事がこの状況を生んでいて自然豊かな良さの反面、自分の教師人生を少し考えされられました、と仰った。

誰が悪い何が悪い、そうした話ではなく、正直に考えた時、やはり生徒は自分の作品でもあるわけだから自分はこうなりたいな、ああなりたいな、という志のある言葉のひとつ聞きたかっただろうな…と思ったら、何とも言えない気持ちになった。真面目で、正直な、良い先生であった。


都会に住んでいらっしゃる方で、お子さんが農業をしたい、林業がしたい、とするなら最適な場所ではある物の現代の発展とは裏を返したような場所で刺激や娯楽が少ない為に楽しみの対象は人に移り、都会よりも田舎の方がいじめ問題に頭を抱えるであろうな…とは、実際に暮らしてみて感じた事のひとつである。住人にとって、特に若い子にとっての楽しみがないのだ。誰さんはどうだこうだ、発展していくのは不純異性交友と早めの性体験。誰と誰はやってる、そんな話で持ち切りなのが田舎である限り、そうはなりたくなかったが結果的にそうなった、という人生もあるだろう。そのような人生の棒の振り方だけは誰にもして欲しくないものである。


私は自分の子供に色々を見てほしい。色々を体験して欲しい。一度やったことがあるけど好きだ嫌いだ、得意だ苦手だ、そうした経験から次に選べる事を探して欲しいと思う。重度低酸素性虚血性脳症を患い、反射を司る脳幹にダメージを負い一生寝たきりだと診断され、生まれてすぐに20歳までのライフプランを書かされた三女が、リハビリと私達のさせて来た生きる訓練から沢山出来る事が増えた。とても水遊びが上手で1分近くも潜れる事、背泳もできる事から、まだ引っ越してもいないのに9月、オリンピック選手が一日体験コーチをなさる水泳のレッスンをなさる事を知り、早々にも予約した。

それが向いているのかどうかさえわからない。親の私たちでさえ手探りである。でもやってから決める、試してみて考える、可能性や挑戦できる機会を横目でみて逃す事だけはしたくない。自分の得意をあの子達にはどうか探していって欲しいと願う。苦手を克服するよりも、得意を伸ばすように。私が生み出した瞬間からもうあの子達の人生は始まっており、刻一刻と時が積み重なる。無駄には、させたくないのだ。自分が居なくなってもどうか生きる道を自分で選択できるようには導いておいてやりたいものである。


さて、面白い物で生活の中で気づいた事もある。
都会には人間が多いからそのせいも多分にあるのかもしれないが都会のドラッグストアに立ち寄ると、テスターの殆どはなくなっている。反対に田舎のドラッグストアにはいつまでもいつまでもテスターが減らず、美しいまま置いてある。"試す"という事自体が苦手なのかもしれない。口紅の色も試してみずに買って「これ私にはあわんわ。あんたにあげるわ」は当たり前である。想像と経験上は違うんだから。そのような事が本当に多い。

なんでも、やってみてから。
試してみてから。試しもせずに大きくなっていく人の事を悪く言う、というダメな特性も田舎文化ならでは、に感じる。すればいいじゃない、やってみてから決めればいいじゃない、それが出来ない。失敗したらどうしよう、とやる前から考える癖がある。保守的な一面。行き当たりばったりはダメだけど、行き当たりばったりに見える時、実はどこかで経験上の大丈夫を持っている事が多い。自分にはあれが出来たんだ、という自信もそのひとつ。少しでもしたい、少しでもやれる、と思う事は怖がらずやってみるべし✌

そうして皆掴んでいく。私は自分の選んだ道を信じているし機会を与える事はいつか大きくあの子達を助けていく=自分の道を彩るに違いない、とも思っている😊

毎日毎日、寝る暇もないほど忙しいけれど、今、私は自分の、そして家族の人生をクリエイトするクリエイターとなるべく、次のステージの岐路に立つ。

やりたい事は、やっちゃって!人生は1度きり、考える以上に、短いわよ😘💋