聴こえてくるのは、雨の音。

ある意味、避暑地(自分だけ)

2019-11-24から1日間の記事一覧

キミの話-第一章 vol,12 (第一章 完)

約束通り仕事を切り上げ、亮介宅に直帰した。泊まるつもりはなかったものの、置いて行った分の服はあるし、シャツは洗濯してしまえば夏の間は一晩で乾くし、泊まるなら泊まるでいいかなーと思っていた。 電話の後は、こうだったらしいああだったらしい、と頂…

キミの話-第一章 vol,11

亮介の発した声に、ん~なにがぁ?と後ろから画面を覗きこんでギョッとする。 メッセンジャーには溢れんばかりの罵詈雑言。嘘つき、最低男、やりチンもやりマンもどっちも死ね、地獄に落ちろ、あの女許さないっ、等々…。添付画像には何枚も何枚もぱっくりと…

キミの話-第一章 vol,10

その、亮介も困っているという相手は駅前で待っている。ヤバい人なの?なんかこう…そっち系の?と尋ねるとそうではないらしい。でもきっとみゆちゃんならそんなに嫌な顔もしないと思う、と言った。どっちが?向こうが?私が? その人はサエという名前だった…

キミの話-第一章 vol,9

わぁわぁ言いながら花火を終えて部屋に戻った後だった。 ねぇもうお風呂入っちゃうね~、トイレ行かなくていい?ユニットだからと声をかける。 シャンプーやリンスは買っておいたし、たりない物があれば言って、入ってる内に俺が買いに行ってきてもいいから…

キミの話-第一章 vol,8

『俺はあんまり…幸せだったとは言い難いから…どっちか言うと、色々を覚えないように、思い出さないように来たから…』 亮介は学校に行けている。しかも相当にいい大学だ。私のように知らぬ間に、わが家を家族面してのっとるような狂人じみた大人に支配される…