聴こえてくるのは、雨の音。

ある意味、避暑地(自分だけ)

2019-12-10から1日間の記事一覧

キミの話-第三章 vol,9

遠藤さんは以前とは違う場所に住んでいた。一年、といっても人にはやっぱりそれぞれの変化があって、知らぬ間に色々が進んでいくのだから何かが成長するなんてすぐだ。 『ひさしぶりー!』 「ひさしぶりー!」 初めて降りた都内の駅、遠藤さんの家の最寄、そ…

キミの話-第三章 vol,8

『寺田さぁん、私ね、お部屋、探そうと思ってるの。あれから一年近く、死にたい死にたい言いながら、だぁれも私を殺してくれなかったし、もう死にたいって思うのも天に任せようかなぁって思い始めたのね。だから、足、洗わせて?』 寺田さんは少し黙った。ふ…

キミの話-第三章 vol,7

毎日そんな生活を送る中、それでも一度は受け取った仕事、と、どのプロフェッショナルともそれなりの会話が出来るように勉強もしたし色々にぬかりはなかった。やるとなったら完璧に近いまでには持っていく、私の社会人生活は無駄ではなかった。これほどに華…

キミの話-第三章 vol,6

ファッションヘルスなんかとは全く違い、デリバリーヘルスの仕事は妙に楽しかった。全く楽しい事をしていないのに、やたらと楽しかった。何の変哲もないマンションの一室を待機部屋として使用している店が多い。お客さんから電話があって決まった女の子のご…